院長挨拶・診療の方針（重要）

院長挨拶

　このたび縁あって、神奈川県海老名市に開業しました。

　1987年、山形大学医学部卒業。医師国家試験合格。1992年山形大学医学部大学院卒業。医学博士取得。専門は精神薬理学。1994年〜ノルウェー、オスロ大学医学部附属「心理社会的難民センター（Psychosocial Care Centre for Refugees）留学。Dr. Edvard Huff博士に師事。「心理社会的ケア」の過程を習得しました。以来世界各地の紛争地、災害の地で「心理社会的ケア」を展開し、これまで世界70カ国あまりを訪問。国際保健医療活動を行った国は50カ国ほどとなります。

　日本国内では（認定）特定非営利活動法人「地球のステージ」を主宰。東ティモールやパレスチナに事務所を置き、保健医療や心のケア（心理社会的ケア）を実施中。

　生きる力を日本の子どもたちに伝えるためのコンサートステージ「地球のステージ」を公演。年間200公演ほどをこなしています。

　心療内科領域では児童思春期、不登校や引きこもり、社会人やご家庭の「主婦」の皆様のうつ、職場のストレスマネージメント、不眠、イライラ。退職後のやる気喪失や抑うつ感、軽度の認知症状などに対応してきました。

　加えて災害における心的外傷やその後のＰＴＳＤ（心的外傷後ストレス障害）への治療としての「心理社会的ケア（Psychosocial Care）」を実践し、2011年3月11日の東日本大震災では自ら被災しながらも、津波の翌日から2ヶ月間24時間病院を開け、緊急医療救援、被災者の心のケアにあたってきました。

診療の方針（重要）〜必ずお読み下さい

①社会との関わりを「予防」に

　心療内科医は診察室の中に座って「診察する」ことだけがその診療方針ではないと考えています。従って、積極的に学校や職場での公演（講演）活動を行っていきます。それはすなわち心の病になる前に、世界の広さや人間の生き方の多様性にふれることで心の病にならなくてもすむような活動を行うことによって、「予防」を心がけたいと考えているからです。

　従って、クリニックに不在となることもありますが、それは総て「心のケア」のための活動を社会の中で展開していることに充てているので、その点ご理解いただきたいと思っております。

②30分を目安に

　心療内科医の中には「ほとんど話を聞かない」「お薬だけ出して診察が終わる」という傾向の医師もいるように思われます。このクリニックの方針は「きちんと話を聞く」ということにあります。もちろん薬物治療も大切であると考えますが、会話を重要視することで心のケアを目指します。そこで予約は30分という「枠」で構成されています。30分でも短いかもしれませんが、その中で達成できる「カウンセリング」を目指します。

　そのため1日に診察できる患者様の数は少なくなる傾向があります。それによりご予約を延期またはお断りする場合もありますが、それは「しっかりと時間をかけて診察する」という方針に基づくものなので、どうぞご理解下さい。

③国際保健医療活動に従事

　医師としてできることはこの日本の中だけでなく、世界も舞台であると考えています。パレスチナ自治州ガザ地区での心のケア（心理社会的ケア）、東ティモールにおける母子保健活動のために海外渡航も年間数回行っております。

　加えて災害や紛争のために緊急医療支援を行うこともあります。これまでのインドネシア、パキスタン、スリランカなどの大災害で活動してきました。

　そのような場合は医師が不在となり、予約を変更していただくこともありますので、この点もご理解いただきたいと思っております。

④対応できない疾患・病態

　医師一人体制であること。入院病棟を持っていないこと、専門性の違いなどにより、以下の疾患には対応できませんのでご理解下さい。

• □ 統合失調症
• □ 躁うつ病（双極性Ⅱ型を含む）
• □ 発達障害
• □ 人格障害
• □ アルコール性精神障害
• □ 薬物依存
• □ 触法精神障害

以上４点をご理解いただいた上で診療をお申し込み下さい。その意味においては通常の市中の心療内科医とはかなり診療の視点や方向性が違う方針をとっていることをご理解いただく必要があります。しかし、総ては「心の健康」という大きな目標に添って行っている活動ですので、ご理解いただきたく思います。

　これらにご理解いただけない場合は予約をお断りしたり、途中で診療を中断させていただく場合もあります。その際は責任を持って他の心療内科医療機関を紹介させていただきたいと思いますので、何とぞご理解下さい。

2017年4月1日

桑山紀彦

海老名こころのクリニック　院長